本業の方で、少し院内レクチャーをする機会がありました。
地域でコロナ診療に従事しますと、大人も子供も共に診療します。
しかし、総合内科という看板を下げると、やはり小児科診療からは離れる傾向です。
随分と知らないことも増えてしまいましたので
一度自分なりに整理をしてみました。
まずは大人です。
「新型コロナウイルス感染症診療の手引き 第8.1版」をもとに考えます。
オミクロン株の流行と共に、中和抗体薬の立ち位置が変わったな、という印象です。
抗ウイルス薬が使えない状況で考慮される薬剤、との立ち位置になっています。
よって、基本的には何かしらの抗ウイルス薬で対応というのが、基本路線と考えます。
①ベクルリー
長所:軽症〜重症まで投与可能である
点滴で投与できる(飲めなくても投与可能)
短所:腎機能障害では使いにくい
消化器症状、徐脈が生じうる
②ラゲブリオ
長所:肝機能障害、腎機能障害があっても投与可能
短所:カプセルが大きい、消化器症状が生じうる
ラゲブリオに関してはメーカーが脱カプセルを認めてはいませんが、
腎障害のある胃瘻患者さんに対して、脱カプセルして投与したことはあります。
パキロビットが世の中ではかなり使えるようになっておりますが、
当院では使えないので現状自分自身の使用経験はありません。
いずれ、併用薬禁忌/注意薬のまとめも作成していこうと思っています。
次に小児です。
まずは、フローチャートで対象に振り分けていきます。
ざっくり分けると、①対症療法のみ、②抗ウイルス療法、③中和抗体薬、の3択です。
その振り分けに必要な重症化リスク因子は、明確な記載がないですが
小児科で生じうるような病名からは右上図のように、比較的高リスクと低リスク、中間リスクに分けられそうです。
成人では重症化リスク因子に含まれる気管支喘息も、小児科では明確なリスク因子にはならないようです。
現時点ではエバシェルドが予防的な使用のみ、となっている点が注意でしょう。