30代男、独身を謳歌する

沖縄県で内科医をしています。生まれた地から遠く離れて生きる日々の記録を綴ります。

壊血病 その2

壊血病に関しての追加知識です

最近話題の糖質制限食ではリスクが高い

しかし、入院中に維持輸液だけ投与されている方で、出血斑が出る方がいらっしゃいますが、まさか、、、。

長期入院で経口摂取もしばらくしていない。

まさか、、、壊血病!?
==============================

■概念
アスコルビン酸(Vit. C)欠乏症
・ビタミンCは過熱に弱く、貯蔵もあまりできない(総貯蔵量 1500mg、350mg以下で症状出現)
 空腸から吸収され、鉄により吸収促進が得られる
・肉、卵、チーズからなるMEC食(糖質制限)のみの食事では欠乏する
・Ⅳ型コラーゲン(血管壁、皮膚、表皮真皮間の基底層の主要物質)合成異常による症状
・摂取不足から8-12週間で明確化する
 他のビタミン欠乏が間接所見となることもある
■リスク因子
 アルコール多飲、喫煙、低収入、男性、透析患者、低栄養状態
■症状
・初期症状:食思不振、イライラ
・重症:心筋障害、呼吸障害、免疫低下
・特徴的:斑状出血、点状出血、創傷治癒遅延、歯肉出血、コルクスクリュー様毛髪
■診断
・血清 Vit. C 0.2mg/dL未満
・白血球中Vit. C 0mg/dL
■治療
・500-1000mg/日 1ヵ月間
 
【参考文献】
・「血清ビタミン濃度」 総合診療 Vol.29 No.8 2019. P 934-939.