30代男、独身を謳歌する

沖縄県で内科医をしています。生まれた地から遠く離れて生きる日々の記録を綴ります。

AI について

早いもので先月になってしまいましたが、
月1冊の読書の報告です。


読んだ本は
人工知能は人間を超えるか」です。


AIを知ることは人間を知ることだ
このキャッチフレーズにビビッときました。

人間と向き合う仕事をしていますので、これは興味をそそられる。


すでに発刊から時を経てしまっているため最新の情報ではないと感じてはいますが、AIの入門書としてはかなり分かりやすいのではないかと思います。AIの歴史、ブームから現在の状態。
そして、「人間はYES、NOだけで判断している」
という文章。


0点100点か、みたいな思考はしていないつもりです。
特に我々医療は絶対がない世界です。
まさか、まさか、と思って振り返ると
確かにと納得する部分があります。


これは医療者を提供する側と医療を受ける立場では常に感覚がずれる点ですが、
絶対に助かるとは言えないが、絶対に助かりたいと思って医療を受ける、みたいなものを想像してもらうといいかと思います。


例えば、85歳で肺炎で入院。
医療者の頭の中は。
85歳だと、きっと何かの既往があって体が不自由な人なら、余力もないだろうし、、、。あれ、昔タバコを吸っていて肺がもうボロボロじゃないか。耐性菌(抗生剤が効きにくい菌)も出そうだな。これは、ある程度は良くなるだろうが、少しADL(体力)が落ちて退院もあるだろうな。場合によっては亡くなってしまうことも想定して、ご家族様に説明せねば。
患者さん、家族の頭の中は。
肺炎になってしまった。でも、感染症なら抗生剤で菌を叩けば治るよね。大丈夫。


確かに、患者さん達からしたら
助かる(100点)、亡くなる(0点)が前提にはなるかと思います。

そりゃそうで、治すために病院に行き入院するのだから当然といえば当然です。
一方で、我々(医療者)は同時に
命は助かったが、自宅で酸素を繋がないといけなくなった(80点)とかそういう状況も想定はしています。


0点100点ではないように見えていましたが、
酸素をつける必要がある(0点)、つけなくても大丈夫(100点)と考えると、

80点も実は0か100で表現されるのだと思いました。

 

ややこしいですね。

 

僕は納豆が1番好きなのです。

納豆があれば、他におかずは要らない、米すらなくても大丈夫、ぐらい好きなのですが、

これを思考過程として

①納豆が好き YES、NO

②納豆が焼肉より好き YES、NO

③納豆が銀ダラの西京焼きより好き YES、NO

④納豆が白米より好き YES、NO

⑤納豆が、、、

 というYES、NOの積み重ねで、結果として「納豆が1番好き」になる

 と分解することができる

一見複雑そうな人間の思考過程も、2者択一に分解できるなら、これを機械にさせてもいいじゃないか

なるほど

 

そう考えたら、人の思考過程でどう分解するかを考える、突き詰めていく

Aiを知ることは人間を知ることだ

あ、本当だ と感じました。

 

もちろん、こんなくだらない話が書いてある本ではないので

実際に手に取って頂けたら幸いです。

ちなみに、漫画版も出ています。