アミオダロンは、蓄積毒による間質性肺炎や甲状腺機能障害が有名ではありますが、皮膚への色素沈着もあるようですね。
今回はNEJMですが、2018年にはESCにも掲載がされたようです。
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雑誌名:New England Journal of Medicine
文献名:Skin Discoloration from Amiodarone
発行日:2020年1月16日
文献URL:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMicm1906774
内容:
・81歳男性
・心房細動と高血圧の既往がある
・転倒後に救急外来を受診
・内服薬は、アピキサバン、ラミプリル、ビソプロロール、アムロジピン、アミオダロンであった
・身体所見では、セルロデーマとも呼ばれる青く灰色がかった色素沈着を鼻唇溝を欠いた鼻、頬、前頭部に認めた
・顔面の外傷歴もなく、色素沈着は長期に及ぶと申告された
・心電図ではAFを伴った68回/分の心拍であった
・アミオダロンによる治療はAFに伴うrapid VRに対して15年前から治療が開始されていた
・皮膚変色はアミオダロンの稀な副作用ではあるが、中止により改善しうるものである
・転倒は起立性低血圧によるものと考えられたため、入院中にアミオダロンの中止も含めた薬剤調整を行った
・6か月間のフォローアップでは色素沈着の改善を認めなかった
・その後、AFによるrapid VRも転倒のエピソードも認めていない
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ESCでのタイトルはAmiodarone-induced cerulodermaである
セルロデーマという単語が使われていることに興味深さを感じる
文献URL:https://academic.oup.com/ehjcr/article/2/1/yty002/4830136